どこでもブログ

役に立ちそうなこと、失敗談などを適当に書いています

スカラ座初日 -1 オペラが始まるまで-

イメージ 1

スカラ座の初日は特別な日だということを2日前ぐらいに始めて知った。
中継車や芸能レポーターが押し寄せ、スターを一目見ようとこの寒さの中で群集が取り巻いていた。
カンヌ映画祭授賞式前のワンシーンのように。
正面向かいの市庁舎前には正装した騎馬隊が並び、入り口正面には特徴ある背の高いの帽子をかぶった衛兵が立っていた。

夫はスーツとネクタイで行こうと考えていたが、子供のバイオリンの先生に伺ったところ、タキシードでなければ肩身が狭いとのアドヴァイスを頂いた。
タキシードは結婚式で着て以来だったので、前日になって染みがないか、シャツやオペラパンプス、カフス、蝶ネクタイなどを慌てて確かめた。

そして、私の衣装。
少し前、領事館の天皇誕生日記念パーティーに着ていくスーツを夫と買いに行った時に、フォーマル度の高いカクテルドレスが目に留まり買ってもらった。
私にとっても肩をだすドレスは結婚式以来。
ロングドレスは敷居が高かった。
前日ショールを買い忘れたことに気づき、近所の憧れのファーサロンにいくも、色が年配だとの指摘もあったので、代わりに黒でやわらかいファーのついた見栄えの割りに安価なものをリナシャンテのカヴァーリ・クラスで見つけて購入。

それが、コートと色が合わないので、夕方カクテルドレスを入手した店を一週間ぶりに訪れたところ、店の方が覚えていてくださり4割引で購入。
同じ系列の高級店のセールを見に行ったところ、ため息のでるような美しいイブニングドレスが目に入った。真近で見ることが出来ただけで満足して店を出てしまった。

心からほしいと願って買うのではなく、半分義務で服を買うというのは何とも寂しいものだったが、これで私の冬のバーゲンのお買い物の予算は全て使い尽くしてしまった。
カードの請求が恐ろしい。。。



さて、派手な白のコートを着た芸能レポーターが追いかけていた女性が何人かいたので、彼女達がスターなのだろう。
私達のゲストは財界の方だが、その関係の方も多く招待されているのだろう、顔見知りと出会っている様子だった。

そして、4階までの席はほぼ全て、男性はタキシード、女性は細身のドレスが多く、半分ぐらいはロングドレスをまとっている。
それ以上の席は熱狂的なオペラファンのために確保してあるそうな。
安価ではあるがチケット入手のためには根気強く並ばなければならない。

実際に鑑賞して気づいたのは、肩はショールで暖かいが、ドレスの丈が短いと足元が冷えてしまう。
フォーマル度が高いという以外にもロングドレスには意味があるのだと知る。


幕間に廊下で見たシースルーのドレスを来た女性は女優ではないのに何故か有名だそうで、常に美しい衣装を着て現れるらしい。
まさに、イタリア版叶姉妹の姉。
下着がどうなっているのか、まじまじと見るわけにもいかないが、目を楽しませてくれた。


他にはロイヤルボックスに座っていた女性がミラノ市の市長で、彼女の夫はオイル関係の事業を世襲する資産家とのことだった。
ベルルスコーニは一兆円以上もの資産を持っているが、ヨーロッパの資産家は桁がいくつも違う。
その夜は現れなかった。


私が初日に来ることもイブニングドレスをまとう機会も二度とないだろう。
あるいは、老後の楽しみにとっておくとするか。
(どうやってチケットとるのかしら・・・)