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役に立ちそうなこと、失敗談などを適当に書いています

ミラノの草間弥生展

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子供の学校のイタリア人のお母さん方に誘われて、寒い中草間弥生展にでかけた。
http://www.mostrakusama.it/mostra.htm

草間弥生

長野の方はご存知でしょうが、教育テレビの日曜美術館ファンでなければ、モダンアートの芸術家の名前など、岡本太郎以外には知らなくて普通かもしれません。


海外では彼女は意外と有名です。
ちなみに、フランス人の知っている日本人芸術家といえば藤田嗣治
日本と海外での有名なアーティストのギャップは結構大きいものです。


軽く解説いたします。
草間さん御年80歳。戦争の足音が迫っている頃に生まれ、人生を通してアートと共に戦い抜いてきた方で、「前衛の女王」との異名もあるそうな。
活動はアートにとどまらず、アートを通じた反戦活動で逮捕されたりと、かなり過激。
少女の頃から幻覚や幻聴を経験し、その頃の水玉模様の作品は生涯を通したテーマとなります。
動物や植物の声が聞こえるなど、やはり、ゲージュツ家はフツーの人とは一線を画しています。
若い頃からアートを志し、現在の京都市芸大にも学びました。
ジョージア・オキーフのような女性アーティストに限らず芸術界のスター、特にNYでのコラボレーションよって認められたようです。

しかし、ここに来て彼女の作品は静かなブームになっているそうな。
携帯電話のデザインを手がけたことなどが話題を呼んだのかもしれない。
しかしながら、水玉の少女じみた作品や服装と髪型が彼女の真髄ではない。

残念なことに、彼女の戦いの軌跡は日本では見ることが出来ない。
というのも、ホロコーストの惨状をコラージュした作品や、非常に過激な作品は日本では展示できない。
以前、写真家荒木経惟がセゾンかで展示して逮捕され、女性プロデューサーの名前が敬称無しでニュースに流れていた記憶があるが、現在でも美術館のキュレーターが草間の一線を超えてしまった作品を扱うのは難しいに違いない。
海外では見ることが出来るのに日本で見ることが出来ない物があるということも、海外にでて始めて知ったことの一つです。

近年の草間はフランス文化勲章等、あちこちから賞をとりすぎているような気がする。
変な格好をするおかしなおばあさんで納まってもいいものかと不思議に思わないでもない。
それで、前衛と言えるのか。
前衛の女王は女王のままであってほしい。


話をもどすと、今回の展示は一階のガラスの箱と照明のお部屋が知覚に訴える知的な作品です。(子供可)
2階には、勢いのあった頃の足跡を見ることが出来ます。
(子供さんを二階に連れて行くのはおすすめしません)
日本では見ることの出来ない本物の草間を体験してください。