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書籍紹介 ニューヨーク美術案内

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                       千住博氏による美術館とギャラリーのガイド
 
アマゾンコムでニューヨーク美術案内の本を見つけてよく見てみると、著者は千住博氏ではないか。
是非是非、案内してほしい!
というわけで、大喜びして買った本。
 
ガイドブックというよりは、美術を制作する視点から書かれたもの。
これまで海外の美術館に行く機会に恵まれていたが、ニューヨークで行ったのは、MOMAと郊外にあるギャラリー・ビーコンだけだった。
メトロポリタン美術館の無料のチケットまで持っているのに。
一日駆け足でも見て回ることができないほどあるのだと思うと、どうも、それだけのパワーがでなかったから。
 
ルーブルでも好きなセクションだけを見たものの、それでも足がだるくなるほどよく歩いた記憶がある。
そう、大きな美術館となると、山登りをするぐらいの覚悟が必要な気がする。
ちなみに、このメトロポリタン美術館には、ルーブル美術館の約十倍の所蔵品があるというから、ニューヨークはやっぱりすごい。
これだけのコレクションがある背景には、JP モルガンやリーマンなどの富豪による寄贈があるようだ。
そう、アメリカの富豪はけた違いに裕福。
というわけで、世界的な名品がこのアメリカに集まっているということになる。
 
この本の中で、ほどほどの広さと紹介されていたフリックコレクションへ足を運んだ。
寡作で知られるフェルメールも3作品を見ることができる。
スペインのベラスケスによるフェリペ4世の肖像画もなかなか良い。
でも男前でないのが残念。
これでも実物より見栄えするようにに描いたはず、という友人の指摘に納得する。
 
王家の宝がどうしてここにあるのか不思議でならないが、ナポレオンかファシズムの時代に芸術に無知な軍人によって武器にでも代えられたのだろうかとか、あれこれ空想してしまう。
尾形光琳がメトロポリタンにあることよりもっとすごいことに違いない。
目立たなかったけれど、ゴヤ肖像画もよかった。
 
一番印象に残ったのはホルバインのトマス・モア。
16世紀に描かれたものとは思えない人物の迫力に驚かされる。
調べてみると、ホルバインはエラスムスの紹介でこの肖像画のモアを頼ってロンドンに渡っていた。
 
実力が認められヘンリ8世の宮廷画家となっていたが、モアをはじめ邪魔になった人物に冤罪をかけ、次々と処刑していく王のもとで仕事をするのはさぞ苦痛だっただろう。
そして、4度目の妻になる女性の肖像画が美化されていた(要は見合い写真が良すぎたようなもの)ことに激怒した王がホルバインを追放し、その後は作品を残すことなく失意のうちに亡くなったようだ。
ここでは、モアの肖像画の横に、同じく処刑されたクロムウェル肖像画が対にして展示されている。
 
フリックコレクションは他館への貸し出しをしないことでも有名で、日本語の音声ガイドも無料。
機会があれば是非足を運んでほしい。
 
 
 追記            2018年7月
日本で小さなオーガニック食品・雑貨専門店をネットではじめました。
アメリカのスーパー、ホールフーズやトレジョーの様な楽しく安全美味しくセンス良くが目標です。
子供が日本で原因不明のアレルギーになり、怪しい食品をやめたところあっさり完治したことが
きっかけです。日本は専門店が少なく自分で始めました。
応援よろしくお願いします。海外発送は別途お問い合わせください。
Naturange(ナチュランジュ)  https://www.naturange.shop/