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書籍紹介 エンデュランス号漂流

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複数の出版社から関連の書籍が出ている

雑誌プレジデントに、読むべき本と紹介されていた本。

もともと、冒険探検物にはあまり興味がなく、遭難等の犠牲を想像するとあまり気持ちよく読めるとは思っていなかった。
冷え性の私には、この様な寒くて苦しい探検だとわかっていながら命をかける隊員たちの心境について、理解できるはずもない。
ただ、文庫で持ちやすかったので、サルディニア旅行に持っていくには手軽だった。


英国南極横断探検隊は100年程前、南極大陸横断を目指しながら流氷によって、崩壊したエンデュランス号を放棄し、28名の隊員が7メートルほどのボート3隻で1500キロを生還して戻った。
隊長は22か月という長期間にわたる過酷な道程の帰還を成功させた指導者として高く評価されている。

読み終わってからの余韻が長い物語。
隊員達の不屈の精神力に胸をうたれた。
(ワインもそうだが、評価の高いものは余韻が長いという共通点があるように思う。)

そして、隊員達のその後の人生はいったいどのようなものだったか興味があって調べてみた。
中には、30歳を迎えずに亡くなった隊員もいる。
時は世界大戦中だったため、帰還後数か月後に出兵し命を落としていた。

この時代、男たちは命を落とす可能性と背中合わせだったことを考えると、名誉な探検に参加する意義は理解できる。


調べれば調べるほど、興味深いのは、募集していた隊員の半分が振り分けられた裏方の任務。
彼らロス海支隊は反対側から食糧物資を運ぶ使命に従事したが、自分たちの船が座礁しながらも運んだその物資は利用されることなく無駄に終わった上、帰路に28名のうち3名が犠牲となっている。
そして、この悲しい出来事は、このエンデュランス号の物語には書かれていない。
また、このグループの隊長は自ら命を落としている。
エンデュランス号の隊長の統率能力との差を比較されそうだが、二つの探検隊の旅路を比較すれば、このロス海支隊の道のりがはるかに長いものであることと、横断ではないものの、過酷極まりないことは容易に想像できる。


また、隊員募集の広告は有名だが、実際には数段落分の長さがあったと伝えられている。
これは、後年、ある広告に関する著書に掲載された為知られるようになったものの、実際には創作だと考えられている。

― 求む男子:
危険な旅。微々たる報酬、極寒、完全な暗黒の長い日々、不断の危険、安全な帰還の保証無し。成功の際には名誉と知名度を手にする。






追記
2018年7月
小さなオーガニック食品・雑貨専門店をネットではじめました。
トレジョーの様な楽しく安全美味しくセンス良くが目標です。
エンデュランスの様に多難なスタート?応援よろしくお願いします。
Naturange